おじいちゃんとおばあちゃんは二人暮らし。
何の変哲もないどこにでもいる夫婦だった。
そのおばあちゃんがある日突然おじいちゃんを旅に出ようと誘い出す。
行き先を知らせぬまま・・・
おばあちゃんにはまだ打ち明けていなかったが、おじいちゃんの体はすでに病魔に犯されていた。
「これが最後の恩返しだ」
そう思って、おじいちゃんはおばあちゃんの申し出を受け入れた。
これから自分たちに起こる奇跡の物語をまだ知るはずもなく。
命の道。
人が目を閉じるということは、新しい世界への第一歩。
この物語の終わりに、目を閉じた老夫婦がみたものとは。
残酷なまでに美しい人としての「生き方」を旅の道中で起こる困難と異次元に存在する自分の心の葛藤の狭間を抜けた先に見つける。
そんな物語です。