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連載 2エピソード
駒田:「田原さん、神様呼んで!」 田原:「杉尾先生ー!救急の駒田先生からコンサルです。お願いします。」 駒田:「あっ杉尾先生すみません。熱中症疑いで搬送された60代の男性なのですが、 なんか上手く言えないんですけど違和感があるんですよ。熱中症による意識障害 で良いのでしょうか?採血検査、頭部CT検査では何の異常もなくて。」 杉尾:「んー、ふむふむ。」 「意識障害ですか、、、んーこれはー、、、んー失語ですね。頭部MRIを撮りましょう」 駒田:「MRIですか!?麻痺もないですし、頭部CTは問題ありませんが。」 杉尾:「これは意識障害ではなく失語と呼ばれる症候です。脳梗塞は場所によっては麻痺 が出なくて不思議じゃないんですよ。頭部CTでは今は写らないかもしれません が脳梗塞があると思いますよ。あとはウチで診させてもらいます」 駒田:「はぁ、宜しくお願いします」 田原:「杉尾先生!MRIで大きな脳梗塞ありましたね!」、「なんで解ったんですか!?」 杉尾:「んー、、、何で? 何でって、、、んー、、、そりゃ神経内科医だしね笑」 私の勤める病院には、どうしようも無いヤブ神様もいらっしゃれば、何でも診断出来てしまう本当に神様と崇めたくなるような医師までいらっしゃいます。私は神達をサポートする看護師の田原と言います。 彼らを神様と呼ぶのは決して優秀だからではありません。病院では各診療科が略称で呼ばれる事が多いです。消化器内科は消内、消化器外科は消外、、、など病院によって多少の違いはありますが、略称で呼ばれる事が多いのです。 私の勤める神経内科は脳や神経に関わる内科になります。脳に関する外科は脳血管外科の為、略称は脳外になります。神経内科は神内と呼ばれる事が多いのですが、病院で神と書けば、これは神経内科を指す略称です。どこの病院も神経内科には一風変わった医師が多いと言われます。私の勤める病院には個性溢れるヤブ神様と優秀な神様が混在しています。院内のスタッフは、時には見下し、時には尊敬し、彼らを神様と呼びます。 愉快な神様達との日常をお伝えしていきたいと思います。
作品情報
ヒューマンドラマ[文芸]
最終更新日:2018年05月08日
悲恋 オフィスラブ 伝奇 日常 青春 私小説 史実 サスペンス 怪談 冒険 天災 シリアス 女主人公 現代 職業もの 読了時間:約9分(4,474文字)