仕事を辞めてニートな俺は、暇潰しに古いゲーム機を購入して遊ぶことにした。
なにせ、最新のフルダイブ型VRゲーム機はクソ高いからだ。
おまけで付いてきたのは「滅亡都市防衛圏」という名前の3DアクションRPG。
魔物や機械兵器、果ては宇宙人やらにまで攻められて滅ぼされそうな人類達が、剣と魔法、銃と戦車や戦艦、ロボは人型から更には巨大な物まで有り、それらでド派手に防衛戦を繰り広げるというカオスな設定のストレス発散ゲームとのことである。
ネットで軽く調べてみた所、少しイカれた凄腕の天才プログラマーが独自AIをなんたらかんたらにより、ゲーム内のキャラ達がまるで生きているかのように反応を返してくれるということで、それなりに売れたらしい。
そんなゲームを、俺はストレス発散の為に無茶苦茶なプレイで遊んでいく。
全裸になったり、女性キャラにセクハラしまくったり、魔物をいかに効率良く殺せるかを追求したり、他人の家を漁ったり、うざい男キャラはぶっ飛ばしたり、でも、時には人助けしたり、レベルをあげて無双しまくったり、お金を稼いで酒場で豪遊したり、仲間をこき使ったり、自由気ままにレアアイテム掘りしたり、力こそ正義で暴れたり……のやりたい放題。
現実の穏やかな性格の俺とは似ても似つかない破天荒プレイヤーキャラが、やがては英雄となってゲーム内の滅びゆく終末世界を痛快に救っていく時、実はそのゲームが普通のゲームでは無いことが判明していくのだが、今更、痛快プレイは止められないという感じの一大スペクタクル物語。