王城が激しく燃えている。
城を取り囲む数多のたいまつが、闇夜に異形の大軍勢を浮かびあがらせる。
王は討たれ、兵は死に絶え、救援も望めず。
わずかばかり生存する兵達は逃げ場を失い、落城と共に滅亡する運命にあった。
時刻22:00。
絶望的な状況で目覚めた七騎士の一人“フェンサー”もまた、城内の過酷な攻防において抵抗及ばず死亡してしまう。だが――
時刻22:10。
フェンサーは再び目覚めた。
困惑しながらも、この奇跡のような事象を駆使してフェンサーが理解したのは二点。
一、王城は4時間後に陥落する。
二、死亡しても時を遡って甦るが、前回甦った時刻より10分の時が進行する。
これにより復活直後の10分間は、二度と取り戻せない時間として重くフェンサーの肩へのしかかることになった。
城をさまよう人を超越した化物、即死級の罠、すでに壊れ始めている七騎士、そして死に戻るたびに迫る終焉の時刻。
尋常ならざる刺突と英知で落城の夜を越えし時、フェンサーは騎士達を従え新たな次元の扉を開く。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2022年02月07日
伝奇 男主人公 現地 人外 異世界 西洋 ダーク シリアス 死に戻り ループ トライ&エラー 考察 クローズドサークル
読了時間:約408分(203,903文字)