悪役になることで自分を守ろうとした少女と、正義にならざるを得なかった少女と、それを知りながら正義を愛した王子の話。
空と竜と風の国、アローヴォス諸島国。空浮く島々に眠る資源と、空を駆ける竜の存在によって、三大国の一つに数えられる強大な国。
この国において、竜と心通わせ言葉を交わす存在である《竜巫女》。歴代の王族は、この《竜巫女》を娶ることで、自らも竜と会話する力を得ることで、国を統べて来た。
十八人いる《竜巫女》の中でも一番の力を持つエルリアは、いずれ独身である第三王子アルフのもとへ嫁ぐだろうと、噂されていた。エルリアは、夢見ていた、最愛のアルフのもとへ嫁ぐ、その日を。
しかし、ある日。一介の商人の娘であるキヨラが、アルフの妻となった。商人の娘が王族と結婚するという身分違いの婚姻が実現したのは、キヨラが《竜巫女》の素質を持つせいだった。その話を聞きつけ、エルリアは動揺する。
この作品は《ある竜巫女の顛末記 - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054882236204》にも掲載しています。
異類婚姻譚 悲恋 悪役令嬢 伝奇 身分差 ドラゴン 竜
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