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連載 26エピソード
それはそれは昔のこと、大いなる海をパリバヌ女神とその神族達が船で旅をしていました。 その者達は海の向こうのずっと遠くにある国からやってきていたのです。 パリバヌ女神の船はある日、見知らぬ大陸にたどり着きました。彼女達はしばらくその大地を歩いて探検してみましたが、キツネや猫の動物達はいても、オアシスや村人達は見当たりませんでした。 「この大地にはいまだに文明はおそらく存在していないようですね。では、紹介文や地図を箱にいれて地中に埋めておきましょう」彼女は言いました。それから彼女は紹介文を書きました。 「私達の国では可愛らしい動物達が山や海にたくさんいるのです。そこは一年中あたたかい場所です。 なんと驚いたことに、この国では争いも少なく、人々はお互いを差別しません。姿や見かけで相手を差別することもございません。傷ついたり貧しい人々がいたら、慈しみをもって接します。私達はあなた方と会えるのを待っています」 彼女は書き終えると、猫の石像を作って紹介文や地図をその下に置きました。 「誰か賢い者達がこの紹介文を見つけるとよいのですが」 彼女達はそう言うと、船に戻り立ち去っていったのでした。 それからやがて、二千年近い年月が過ぎていきました。 その間に文明が栄えて、人々は高度な技術を取得したのでした。 しかし、高度な技術は人々を欲深くし堕落させてしまったのです。 そして、その場所では昔とは違い、今では争いが起きてしまっているのでした。 パリバヌ女神の残した石像は今でも砂漠のどこかに残っているのかもしれません。 ☆この作品は「facebook」にも掲載しています。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2020年07月04日
オリジナル戦記 冒険 読了時間:約83分(41,051文字)