「おはよう」
午前五時を知らせるアラームが鳴る。
『博士、おはようございます。今日も良い天気ですね。』
声が聞こえる。
「どうしようもなく綺麗な薄茶色にくすんだ空だ。見慣れたものだよ」
『そうですか? 私には昨日と違って見えます。』
「君だからそう判断するんだよ。私とは違う」
『そうですね、違います。』
いつもと同じ景色だ。何も変わらない心地よい空間。ただ一つ違うのは、実験の終了を示す赤く点滅しているランプのみ。
そうして今日が始まるのである。
予告なく消す場合があります。ご了承ください。
前作の『ある森の中で』と若干世界観がかぶります。私の趣味でございます。