アンナは、辺鄙な町にある、冴えない店のバーテンダーだった。
優秀な姉へのコンプレックスや、身を粉にして働かなければならない現実へのフラストレーションに日々悩まされていた。
そんな彼女を、疎遠にしていた姉が、ある朝突然訪ねてきた。
…この子を預かっていて欲しいの。
アンナは仕事に追われる日々で、そのような余裕などなかったが、断りきれなかった。
甥と暮らしはじめて3カ月が経とうという頃、嵐の夜、アンナは押し入った強盗に襲われそうになる。
運良く逃げおおせたはいいが、それは、更なる凄惨な事件の幕開けに過ぎなかった。
明くる朝、町中の様子がおかしいのだ。
たどり着いた警察署には、アンナと似たような目に遭った被害者が何人もいた。
その被害者の一人は、強盗に妙な薬を打たれたと話した。