『彼女にはいくつも問題がある。九歳になるまで面倒を見て、取り返しが付かないと気付いてしまった。私は弱い人間だ。私は、正常な判断が出来ない』
『そこには弥上の血を引く者しか行けない。だからお前しかいない。生かすも殺すも関わらないも、すべてお前に任せたい』
『ただ、一つだけ言わせてほしい』
―――――『停止世界は、美しいのだと』
停止世界。それは時間が止まっている間にのみ発生する、連続性を持った空白期間の事を指す。
そこでは、通常観測されることのない〝時の狭間に生きる魔物〟が独自の生態系を築いているのだそうだ。
大学生の弥上時悠は、今は亡き父が書き残した手紙によって複雑な選択を迫られるようになっていく。
父のように停止世界を行き来するのか、
それとも見ないふりを選ぶのか。
――そして、〝彼女〟をどうするのか?
停止世界には魔物がいる。
時悠は、巻き込まれていく。
(肥前文俊主催・第十五回書き出し祭り参加作品)
※次回更新時期は未定です。連載開始までお待ちください。
※原因不明の作品削除により、再掲という形をとっています。以前からブックマークやご期待頂いた皆様には深くお詫び申し上げます。変わらず応援してくださると幸いです。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2022年07月31日
伝奇 日常 サスペンス 天災 シリアス 男主人公 現代
読了時間:約8分(3,957文字)