太平洋戦争の昭和十九年、十五歳で予科練、すなわち、海軍予科飛行連隊に入隊した勝間忠は、ラバウル諸島に出征し、全滅と伝えられた激戦でかろうじて生き残った三人の一人となる。ボクサーを経て、政治家のガードマンとなった忠は、テロリストとの対決で重傷を負い、三ノ輪の病院に入院し、そこで知り合った看護師の西堀聖子と結婚する。しかし、無頼の忠は聖子と合わずに別れることになる。かつて入り浸った遊郭のなじみの芸者の静を、赤線防止法が成立する頃に身請けする。
特攻隊 病院 外科手術 ガードマン 赤線防止法
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