作品一覧全2件
短編
葵は奥秩父の中津川村で猟師平蔵と結婚して家庭を築いたが、荒川の鉄砲水で二男を喪って精神の平衡を失い、平蔵と別れて中山道深谷宿で芸人稼業をしている女だった。翌年に源内は、鉱山開発事業で滞在した中津川村で、平蔵と、火縄銃の名手であるその父長蔵、平蔵の長男虎松の三代の猟師の家族と過ごすが、このとき平蔵は熊に襲われて死んでしまう。一方、源内の口利きで、虎松は秩父大宮郷の医家片山家で外科医師の道を歩み出す。 明和八年(一七七一年)三月四日が執行の日と決まり、葵の処刑は執行され、祖父長蔵が執刀し、腑分けが行われた。この腑分けは杉田玄白、前野良沢、中川淳庵らが見学する中で行われ、玄白は後に回想録の「蘭学事始」の中でその顛末を記述し、これが日本の外科の歴史の黎明となったのだった。
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ノンジャンル[ノンジャンル]
最終更新日:2012年09月10日
読了時間:約3分(1,360文字)
短編
太平洋戦争の昭和十九年、十五歳で予科練、すなわち、海軍予科飛行連隊に入隊した勝間忠は、ラバウル諸島に出征し、全滅と伝えられた激戦でかろうじて生き残った三人の一人となる。ボクサーを経て、政治家のガードマンとなった忠は、テロリストとの対決で重傷を負い、三ノ輪の病院に入院し、そこで知り合った看護師の西堀聖子と結婚する。しかし、無頼の忠は聖子と合わずに別れることになる。かつて入り浸った遊郭のなじみの芸者の静を、赤線防止法が成立する頃に身請けする。
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ノンジャンル[ノンジャンル]
最終更新日:2011年08月27日
特攻隊 病院 外科手術 ガードマン 赤線防止法 読了時間:約58分(28,632文字)