天が見そなわし、四方を神獣に守られたその土地は、恒久の平和を手にし、まどかなる国、中つ国、と呼ばれた。
神獣と心を通わす者が王として四方を治めるその国は、それを支える善き心を持つ獣人たちによって、万年の長きにわたって平和を保ってきた。
しかし、今、その均衡はゆるやかに崩れつつあった。
己の出自を知らぬ少年、ファンはいつか獣人になるべく、旅を夢見ながら、日々試行錯誤を繰り返していた。
東都の獣人シンは、国の軋む音に心を決め、崩壊を止めるべく旅に出る。
四方をめぐる旅の中、二人が出会う人々、困難とは――
【長編】
※章ごとに、○○編、というように話がひと段落する形式です。五章分完結。
※1話は1000弱~3000字程度と比較的短めです。
※自サイト「鳶の旋回軌道上」より転載。
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