神川咲乱は、昔からずっと好きな幼馴染みに、自分の気持ちを伝えるのを躊躇っていた。伝える機会は、これまで過ごしてきた人生の中に何回でもあった。その何も起きない、いつも通りの日常を彼女と過ごしていくうちにいつの間にか、高校2年生になっていた。
新学期始まる頃、いつも通り隣の家から出てきた片思いの彼女と一緒に登校しようとすると、大地震がこの2人を襲う。崩れ落ちる建物から、自分の死を覚悟して守った彼女に、自分が建物に潰される前に想いを伝える。
彼はその気持ちを伝えられただけで、充分満足していた。しかし、彼はまだ知らない。彼の人生は、まだ始まったばかりだと言うことを。