金曜が土曜に変わる頃、小さな公園で彼女に出会った。

雨が降り続く灰色の世界。何もかもを失った世界。 そこでわたしは今日も君を待つ……。

真っ白で何もない世界。何も変わらない世界。 そこでわたしは今日も君を待つ……。

彼女のことを初めて知ったのは高校三年の春。 そして再会した十年後。 変わってしまった彼女は、変わらないものを求めていた。

「わたしが人殺しだったら、どうする？」 あの日、桐の棺に横たわって永遠の眠りについたはずの彼女は、夕日に染まった海を背にしてそう言った。 何事もなかったかのように。 あの日まで、毎日見せてくれた笑顔を浮かべて――。 女子高生たちが紡ぐ、青春百合ミステリー。

夜の海へ行くのが好きだった。 好きも、嫌いも、何もかもを忘れさせてくれる気がしたから。 自分の感情のすべてを忘れるために、いつも一人で過ごしていた。 だけど高校一年の秋。 満月の灯りに照らされた砂浜に、彼女がいた。 すべてを忘れた海から始まる、青春百合ストーリー。 2021/06/21 完結しました。

高知三奈にとって、この人生は毎日が最悪の日だった。 高校一年の夏。 彼女に出会うまでは。 君と、わたしと。の本編終了の翌日のお話。

まっすぐで素直だけれど自分にも他人にも興味を持てない高校の臨時教員と繊細でクールな生徒、そして2人を取り巻く人たちが織りなす、優しくも切ない百合ストーリー。