作品一覧全2件
連載 33エピソード
巌水彰は、冷え切った家庭に疲弊し、孤独のなかで生きていた。教師という仕事に心を繋ぎとめながらも、愛も、信頼も、どこか遠いものになっていた。 そんなある日、帰り道にふと立ち寄った小さなパン屋で、彼は店主の浅桜幸臣と出会う。 温かい紅茶、素朴なパン、そして──何より、言葉少なに微笑む幸臣の存在が、彰の胸に小さな火を灯す。 だが、予兆は静かに忍び寄っていた。 家庭の崩壊、追い詰められる彰。心の支えとなりかけた幸臣との関係も、過去の影に脅かされてゆく。 信じること。 踏み出すこと。 そして、誰かと未来を重ねてゆくこと。 傷つきながら……すれ違いながら、それでもふたりは手を伸ばし合う。 まだ、遅くはない──あたたかな光の中へ、共に歩いてゆけるのなら。
作品情報
現実世界[恋愛] R15ボーイズラブ
最終更新日:2025年06月18日
シリアス 同性愛 趣味全開 BL おっさん 濡れ場あり ←ラストのみ 読了時間:約179分(89,331文字)
連載 11エピソード
 男子高校生、浅桜幸臣はとある休日に友人と東京へ旅行に行く。上野、浅草、スカイツリーなど様々な場所を巡って、一行は一日を満喫した。  夕方になり、帰ろうという話になった彼らは、駅へ向かう道すがら蚤の市が開かれているところに通りがかった。どうせならと見て回る中で、幸臣は奇抜な見た目に惹かれ一体のアンティークベアを購入する。  家への帰路につき、部屋で荷物を広げる幸臣。お菓子やキーホルダーなどの土産物を傍にどけ、蚤の市で買った人形を飾って……その時までは確かに少し古いだけの人形だと感じていた。  居間にあり人形の入っていた袋を捨てようとしたときに、幸臣は袋の中に奇妙な石がひとつ転がっていることに気がついた。  石は、その内側にかすかな光を孕んでいる。  幸臣がそれに気づいた瞬間、狙い澄ましたかのように部屋の明かりが消えた。  月明かりだけが照らす部屋。暗がりの中に幸臣は奇妙なものを見る。  暗がりより、なお黒い影──ソレは、幸臣の買ったアンティークベアから伸びていた。四肢を歪に動かし、這うように動く身体を突き破るようにして。   「……ッ!!?」  部屋を飛び出た幸臣は衝動に任せて走り、そのまま外の夜闇へ逃げこんだ。  手の中で明滅を繰り返し、輝きを増してゆく石に気付かぬままに。  幸臣を救う男、ウィンドウに記された【ワールドシナリオ】の意味、突如として出現した大樹の光。  それは幸臣を、そして、人類を予想だにしなかった災禍の糸に絡め取ってゆく──。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2025年04月28日
男主人公 日常 ダンジョン ご都合主義 スキル テイム おじいちゃん 微BL ヒロインは不在 読了時間:約215分(107,356文字)