作品一覧全2件
連載 51エピソード
   日常に垣間見える非日常――その関係性を具体的な形で表現するならば、それはさながら対極図のようなのだろう。  白と黒、善と悪、プラスとマイナス……相克すること螺旋の如く、相反する概念が同一になることはない。  否――なってはいけないのだと。    非日常の住人は日常からあらゆる秘跡を乖離し、古に伝わる大願の達成を目指した。  『魔術師』が望むは無尽蔵に濁流する魔力の源泉にして、第二の世界『神域』への到達。  魔力の独占と魂の解放こそ、神への昇格に値するという。  彼らにとって世界で観測される怪異や神秘に類いするものは『神域』到達への“座標”に他ならず、回収と解析、管理を目的に日常から隠匿する。  『錬金術師』が望むはこの世の絶対権力――『賢者の石』の錬成。  運命さえもたやすく超越する輝石と一体化した時、その者は神格化され、体内でエリクサを生み出す神になるという。  彼らにとって世界で観測される怪異や神秘に類いするものは『賢者の石』錬成の“設計図”に他ならず、回収と分析、考察を目的に日常から隔離する。  『聖職者』が望むは十一の奇蹟――『聖遺物』の回収。  集いし奇蹟は神を召し、破滅が確定した終末世界へ修正の施しをもたらすという。  彼らにとって世界で観測される怪異や神秘に類いするものは終末を招く“原因”に他ならず、神罰と洗礼、救済を目的に日常から浄化する。    太古より三大勢力が目指す大願は相違あれど、掲げる秩序に差異はなく。  己が祈願こそ至高であり、秘跡を日常にもたらすことは禁忌である、と。    ――そんな古の風習を、鼻で笑う者たちがいた。    曰く、何の面白みも感じないのだと。    紡がれてきた大いなる歴史をたやすく見下し、魔術師は笑う。    錬金術師は興に乗り、聖職者は興味を示す。  白黒つけずに灰でいい、善悪語らず偽善でいい、加減せずとも零でいい。    封鎖世界を飛び出したアウトローたちは謳う。    “世界よ、混沌に染まれ”と。  これは、非日常に足を踏み入れた青年――綾杜枢人《あやもりすうと》が対峙する数々の複雑怪奇を記した物語。 ※こちらは試し読み版となります。  第一巻『魂魄灯の涙』の下書きが完成し次第、こちらで本格的に連載予定です。何卒よろしくお願いいたします。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2016年06月10日
魔術 魔法 魔術師 聖職者 錬金術師 魔導師 魂 人形 シリアス ファンタジー ダーク 現代(モダン) 高校生 バッドエンド 殺人 読了時間:約113分(56,183文字)
連載 8エピソード
   審判の日、世界の歪みはついに姿を現した。  太古の使徒により解明された旧約聖書の闇――『天地・開闢聖書』  世界に権限する十二の奇蹟――『魔法』  世界均衡を保つ奇蹟への抑止力――『魔戒』    〝魔の戒律〟の名を与えられし十二体の究極生命体、それらは吸血行為が確認されたため、『真祖の吸血鬼』と名付けられた……!  現代――イタリア。  聖都ローマに忍び寄る魔の手。  人類を破滅へと追い込む吸血鬼の侵攻に対し、最後の希望を託されたのは神罰の代行者――『祓魔師』だった。  神に代わり、振るう刃は邪悪を殲滅せんと明日への活路を切り開く。  人は、生きるために抗う。 それが例え、幾度となく希望が潰えていこうとも……決して。  これは、祓魔師の尖鋭大隊『聖ヨハネ騎士団』に籍を置く青年――祓儀凍也が駆け抜けた数奇な人生の物語……
作品情報
ノンジャンル[ノンジャンル] 残酷な描写あり
最終更新日:2015年08月01日
ダーク シリアス 吸血鬼 教会 魔術 魔法 聖職者 読了時間:約46分(22,631文字)