努力は義務であり、そして同時にそれは義務ではないのだとしたら。
……地下の、そのまた地下の奥深く。
この名も無き地下空間の端くれ世界で。
努力は必ず報われるなんて、一体誰が決めたんだろう。
信じた者は報われる。僕は決してそうは思わない。
気休めに気休めを重ねた、それは遥かあまりにも遠い希望的観測に過ぎない。
もうこれで最後にしよう。なんて、口先の魔法もいいところだ。
青春時代を棒に振り、いまだかつて訪れたことのない青春という甘い蜜の味に愁いを抱く青年は、いつしかこの現実世界にあって無いような端くれ、まるで陸の孤島の半創造世界に己の居場所を切り拓いていき身を置くようになった。
蒼くも脆い現代風のストイックな、擬似青春というひとつの選択肢。
身分差 悲恋 日常 青春 ラブコメ 男主人公 ギャグ シリアス 平成 現代
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