Q.あなたは、異世界転移を信じますか?
ーA.俺は信じない。
もうライトノベルの1ジャンルとしてその人気は衰えを知らず、過供給を起こすそれは三峡ダムすらも決壊させんばかりの勢いであふれだし、日本中を異世界漬けにしている。そう思えるほどにそのジャンルは人気である。
小説に読む分にはいい。しかし、中には自分が異世界に転移したらだとか転生したらだとかありもしない妄想をする奴がいる。そういうやつは神様からチート、だとか内政チートだとか粋がっているがそんなうまい話あるはずがない。
俺は神の存在は否定しない。むしろ興味深いとすらおもう。だが、異世界に転移することは絶対にないと断言してもよい。そもそも神と呼称される上位存在にとって、俺たち一個人にそんな興味など持つはずがない。神にとってこの世界はどれだけの重要だがあるか。また、その世界でたった一人にどれだけの影響力があるのか。考えれば自明だ。
もしあなたがペットを飼ったら、ペットには愛情を抱くだろう。しかし、ペットのしっぽに、臓器に、抜け毛に果たしてあなたは愛情を抱くだろうか。また、ペットの生命の危機にあなたは抜け毛に助けを求めるだろうか。ペットは医者に見てもらうだろうし、医者がいなければあきらめて看病するが死んでしまうだろう。世界もまたその医者のような機構があれば自力で治すだろうし、もしくはなければそのまま滅びるだろう。間違っても抜け毛に出番はないのだ。
もし、こんな抜け毛に興味を示す輩がいるならば、そいつも抜け毛に違いない。ただ自分よりもできることが多少多いだけの抜け毛で、それは神ではない。無視すればよいのだ。