幕末剣豪・沖田総司との甘々物語。
江戸幕末。新選組。
最強剣士 沖田 総司 × 一番隊副隊長 月島 碧
兄のように碧に優しい沖田。
でも、意外とドSで。
純粋すぎる碧。
女にも関わらず剣を握る勇ましく明るい性格だが、
実は意外と寂しがり屋で恥ずかしがり屋。
そんな二人をめぐる甘く優しく包み込まれるようなお話。
【甘々!!×切ない+シリアス】物語。R15です。
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時は江戸幕末。新選組。
「沖田隊長!副隊長知りません!?」
「ああ……、今頃、日向ぼっこでもしているのだろう」
沖田は、これから巡察だというのに見当たらない人物の顔を浮かべて笑った。
「ですよねー……。ほんと、副隊長の居場所は昼寝か甘味処だ」
最早日常と化している副隊長の行為に、一番隊隊士たちも苦笑するしかほかはない。
「隊長は確か、副隊長と幼ななじみなんでしょう?」
隊士の言葉に頷けば、
「副隊長は、昔からこんな性格だったのですか?」と、興味津々に返ってきた質問。
「ああ、そうだな。
昔から、甘いものと日向ぼっこが好きで、
男勝りで、元気で。そして、俺が安心して背中を預けることができる人だ。
それにすごく、寂しがりやなところも、変わっていないな」
「副隊長が寂しがりや……」
副隊長のこれまでの猫のような振る舞いを思い出しているのか、隊士たちは口の端に笑みを浮かべている。
「あっ!副隊長ー!!」
どうやら、やっと来たようだ。
隊士たちが、沖田の背後に視線を向ける。
「なぁ沖田!お前今、隊士たちに何言ってた!?」
やがて、男にしては少し高い声に名を呼ばれる。
「別に。たいしたことじゃないよ」
「オレ、寂しがりやじゃないからなっ!」
(聞こえてたんじゃないか……)
苦笑する沖田に、くぎを刺すように大きな声で言う。
「新選組一番隊副隊長 月島 碧!」
「このオレが寂しいと思うわけがあるかっ!!」
「はいはい、そうだね」
ほんと、意地っ張り。
(……だから守りたい。その細い体でよく頑張ったなって、抱きしめてやりたい)
「隊長!副隊長!そろそろ行きましょう!!」
沖田は、碧の頭をそっとひと撫ですると、自分を呼ぶ隊士の元へと歩いた。
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