白で溢れる世界があれば、黒で満ちている世界がある。
白きを忌み嫌う黒がいれば、黒きを卑しめる白がいる。
二つの世界は、お互いに感傷することも、交わることも決してない。
白で生まれる命があれば、黒で生まれる命もある。
白で生まれた命であれば、純潔な赤色の血が通った生命となり、
黒で生まれた命であれば、禍々しい黒色の血が通った生命となろう。
ここに、黒が流れる身体を嘆く少女がいた。
黒き世界で生きるすべを見いだせず、もがき苦しむ日々の中、少女はとある人物と出会う。
その出会いにより、少女は一握りの希望を抱くこととなった。
少女の望みはただ一つ。この黒き世界の果てを目指すこと。