とある遺跡に眠るように保管されている一冊の本。
それはそこにあるだけで、今までも、そしてこれからも、誰にも触れられる事のないはずの書物。
それを開いた時には、今とは違う世界が待っているという言い伝えがあった。
今とは違う世界が何なのか、誰しもが思い浮かべた。
自分だけが強くなれる世界？
何にも困らない世界？
自分の当たり前が当たり前でない世界？
誰しも、別々の理想を抱いた。
しかし、誰しもが自分に害する事が起きる世界を夢見ることはなかった。
必ず、それを開けば自分は幸せになれると、
その実態を見ることも想像する事も無く、
ただ一心にそう思っていた。
そして、そう願い続けていた
ある男が『世界を変えた』のだった。
