音楽家のエルンスト爺さんが死んで一月。
街には静かな雪が降っていた。
その静寂のなか、街で一番の語り部ミス・クレインは語る。
波乱に満ちた彼の半生。
そしてそれを助けた一人のわら色の髪の少女の話を。
時代は動乱。激動の世。
下街でその日暮らしの生活を送っていた浮浪者の少女ダイアスは、特殊な運命を背負った貴族の青年エリオスの命を救う。
彼は政略結婚の花婿として敵国へ人質に送られる立場にあった。
破天荒な下街の町娘と、ちょっと気弱な青年貴族(音楽家志望)の話です。
※本編の60年後から話が始まります。