19世紀末のレキタニア大陸は、地獄の様相を呈していた。神秘の薄れた戦場において絶大な力を奮う火薬をもって、大陸統一の悲願を成そうとする帝国ラウム。そして帝国の豊かな穀倉地帯の獲得を目指す亜人国家連合の衝突。大陸の北部では人類側の退廃に乗じ、魔領内部の過激派が領土拡大を声高に叫ぶ。また大陸北西部でも過去の栄光にしがみつく神聖国の聖戦準備が完了していた。
大陸南部でも北部の緊張状態が伝播し、王国キサレロ内で圧政からの解放を望む民衆の暴動が発生。ウィザレ共和国でも帝国ラウムへの警戒を強めた。
100年もの平和は人々の鬱屈を貯め続け、不満と悪意を育てた。そうして世界は混沌を極めていった。