「おっぱいよー!」
学園のアイドル、羽山水月は恥ずかしげもなく弾けるような笑顔で言ってのけた。
『おはよう』と『おっぱい』をかけた、男子高校生が望む夢のような挨拶。
クラス中どころか、学園中がその愛らしさの裏に忍ぶ淫なる気配に熱狂する。
「マンマンドラドラマンドラゴラ……ピャーーーー!」
マンドラゴラの気持ちになりきり、全生命力をもって永久の咆哮をあげた俺。
引っこ抜かれる瞬間を痛切に思い浮かべ、より忠実になるよう両手を合わせて天に掲げながらジャンプする。
クラス中どころか、壁際を走る小さな虫までもが俺を無視していた。
教室でたった一人、天井をぶち抜く勢いで浮いていたが、何故か羽山は俺のことを気に入っている。
これは、雲のように日々に変化を求め続けた俺と、月のように変わらない日々を歩み続ける羽山の物語。
学園 らぶらぶ 高校生 三角関係 ヤンデレ コメディ やきもち 妹 先輩 アイドル
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