父さんが運転する車は、死角から飛び出してきた少年を避け、秋空を虚しく駆けた。
二年の時を経て、事故の当事者達はそれぞれの思いを胸に再びこの町に集まってくる。
それぞれがそれぞれを思い合って、皆の思いは一つの方向を向いているはずなのに、運命は思い込みや勘違いの連続で各々を全く不正解の方向に導いていく。同じ世界にありながら、寸分の差で思いが交わることはない。
そう。彼らは今、背中合わせで進み出した交わることのない平行線なのだ。
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