名門・研究者一家に生まれた高校生、神谷光希(かみやみつき)は、無口で周囲と距離を置く日々を送っていた。
家では“将来の研究者”としての期待を一身に背負い、学校でもその噂のせいで孤立気味。
本当は研究よりも、感情を映すような“絵”を描くことが好きだったが、それを誰にも打ち明けられずにいた。
そんな彼の秘密のスケッチを、ある日クラスの人気者・高瀬柚月(たかせゆづき)に見られてしまう。
明るくて無邪気に見える彼女は、実は家庭の事情でバイトと家事に追われる日々を送っていた。
違うようで、どこか似た“孤独”を抱える二人。
絵をきっかけに始まった交流は、やがて少しずつ互いの世界を変えていく。
光希のキャンバスに、彼女がいて、友達がいて——モノクロだった心に、色が灯り始める。
これは、心を描き変える優しいラブストーリー。