姫路 幸多は、世界一幸運な高校生だ。危険は彼を避け、道を歩いているだけで幸運が降り注ぐ。そんな普通の高校生だ。
だがある日、最後の運を、隕石の同時落下ということに使い、それを回避する運があるはずもなく、あえなく死んでしまう。そして彼は気が付くと、異世界の第二王女に転生していた。
言葉も文化もわからぬ状況で、彼は気付いた。
「えっ!?なんで道に宝石とか落ちてないの!?」
運は前世に引き続き、尽きていることに。さらに、ここは魔術を主とする世界。このままでは、近いうちに死か、またはそれに準ずる不幸が起こるであろうことを感じた彼は、そこで決意する。
「運がないなら、自分でどうにかするしかない!」
これは、世界一幸運な高校生が、不幸なお姫様に転生し、いつしか『薄倖姫』と呼ばれながら、強く生きていく物語である。