『アルカナ』と呼ばれる神として崇められる超常的な存在である22人が生み出した世界『タロット』
彼らは『タロット』を創造後、それぞれ自分たちの象徴と言える人種を生み出した、一人の『アルカナ』を除いて。
多種の人種が過ごす世界を完璧で、完全なる世界にするために、『アルカナ』の頂点『世界』は言った。
『彼らに印を与え、それによって運命を決め、我らが示した道を歩ませ、完璧で完全なる世界を作る』、と。
『世界』の言葉に他の『アルカナ』が賛同する中、一人の『アルカナ』———人種を生み出すのを断った『愚者』は笑ってみせた。
『自由のない世界に何の意味がある。束縛によって、管理する世界のどこが面白い?』、と。
その一言に他の『アルカナ』たちの反感を買い、『タロット』から追い出され……いや、自分から出ていった『愚者』は何もない虚無空間へと閉じ籠った。
それから千年以上の月日が流れた『タロット』。
『タロット』の世界に生まれるハズのない自身の印を持つ者たちを感じ取った『愚者』———フール・ゼロは、そのことに興味を示し、虚無空間から抜け出し、『タロット』へと舞い降りる。
その時に道標となった『愚者』の印を持つ獣人族の少女『リリネ』と出会う。
彼はリリネと共に『タロット』の世界を自由に歩き、『アルカナ』たちを、同胞を嘲笑う。
「自由がない世界なんて、管理されるだけの世界なんて、停滞した世界と何も変わりない。成長のない世界だ」
『アルカナ』によって管理される世界に今、『愚者』による自由の風が吹こうとしている。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2023年04月25日
異能力バトル 冒険 魔法 タロットカード 異種族 多種族 男主人公 ネトコン11
読了時間:約53分(26,263文字)