カドキワ国直轄、ノーチラスの一等捜査官であるメーレン=カドサキ。高い能力と実績、美しい容姿、才色兼備の彼女は21歳という若さで一等捜査官にまで登りつめた。次の任務は凶悪な特殊能力『キャリア』を持った殺人鬼ラットマンをとらえること。しかし、捜査に当たっていた数人の捜査官がすでにやられており、厳しい訓練によって高い戦闘力を得ているメーレンであっても歯が立たないことは明白だ。
強力なキャリアをもった犯罪者は【監獄メルギド】で幽閉されている。若干12才でランクCの犯罪者であるアトレス=バルドラもその一人であり、秘匿死刑が確定していた。見た目は子どもだが、キャリアを持たない人間を一瞬のうちに殺害することができる凶悪な少年。殺人鬼のラットマンと直接対決することになっても、彼を活用すれば勝利できる可能性がある。
一等捜査官のメーレンは少年に会いにいくことにした。少年の強さを期待していることもそうだが、12才の少年が死刑となるということを聞き、自分の目で本人を一目見ておきたかったというのもある。任務の成果によっては、恩赦を与えることもできるかもしれない。そう思い、メーレンは監獄メルギドに一通の手紙を送る。
『拝啓 メルギド監獄長 ベス=リグリット殿
本官が任命された「ラットマン掃討作戦」が難航しており早急に人員を確保する必要があります。つきましては、秘匿死刑が確定した例の少年に、貴殿の考案されました【隷属の首輪】を装着させ、本官の任務の一部を委託したいと考えております。
ノーチラス キャリア対策課一等捜査官 メーレン』
少年。アトレス=バルドラは暗く冷たい地下深くの牢獄でその時がやってくるのを待っている。9才の頃から3年もの間にわたって投獄されていた彼だが、目の奥の生命力はひとつも衰えていない。彼には使命がある。そのためにあらゆる犠牲を伴ったとしても、彼の中で冷たく燃える闘志が消えることはない。
作品情報
アクション[文芸]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年03月23日
ESN大賞6 シリアス ダーク 男主人公 女主人公 西洋 近世 近代 内政 超能力 年の差 サスペンス 異能力バトル おねショタ
読了時間:約116分(57,618文字)