宮沢賢治は志なかばで倒れようとしていた。
実家のカネの力に頼らずに、自分だけの力で世界を救おうとして、力尽きようとしていた。
そんな宮沢賢治が病床で不思議な夢を見た。
ユング心理学で読んだ集合的無意識の世界。
そこでは誕生以来、将来の滅亡までの人類のすべての夢と無意識が渦巻いていた。
さらに、現代と未来の人工知能が見た夢と無意識もその世界に加わっていた。
そこに現れたミヤザワケンジ2.0。
彼は宮沢賢治であり、そうではなかった。
世界中の宮沢賢治作品の読者、人類と人工知能たち、彼らの夢と無意識が、ひとつの人格という現象を集合的無意識世界に産み出していた。
宮沢賢治はミヤザワケンジ2.0と出会い、何を語り、何を感じるのだろうか。