突然だが、僕の彼女は歩けない。
小さな頃、脳の難しい病気にかかってしまい、それ以来歩くことが出来なくなった。
彼女----ハルはいつだって真っ直ぐで聡明な、とても優しい女の子だった。
僕は初めて出会った時からそんなハルに惹かれて、少々怒りっぽかったり頑固な所もあるハルが世界で一番大好きだった。
先に言っておくとこれは、カワイソウな彼女と紡ぐせつないラブストーリーでも最後に彼女が死んで愛を叫ぶ感動モノでも彼女が歩けるようになるまでのキセキの物語でもない。
どこにでもいるごく普通の男、僕ことシュンとどこにもいるごく普通の女の子、ハルのどこにでもあるような他愛もない物語だ。
日常 私小説 ラブコメ ほのぼの 男主人公 和風 現代 ノンフィクション
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