―死にたくなったら死んでも良いんだよーその言葉が僕を救った。死ぬのではなく生きる勇気を僕にくれた。
毎日毎日同じことの繰り返し。理由のない漠然とした不安と闘い、苦しみ傷つきながら生きていく僕の日常。
生きるために自分を傷つける。誰にもヒテイされたくない。本当は傷つきたくない。こんな自分は大嫌い。
ばれると面倒。ヒテイされるくらいならもう誰も信じない。「僕」を隠して生きるよ。ヒテイしないで。綺麗事ばかり並べて僕を苦しめないで。また傷が増えてしまうから。こんな自分は最低だなあ。否定されるのも仕方ないか。そう分かっているさ。
「死にたい」が口癖だけど生きる。この気持ちに説明がほしい。こんな僕の日常は「普通」ではないですか。僕には「生きるための自傷」が必要だから止められないし止める気もない。このわがままは許されますか。
第63回全国学芸コンクール〔旺文社〕 応募
日常 私小説
読了時間:約30分(14,508文字)