現実世界で女の子を庇い、車に跳ねられた女性小説家のねむ。
もがくことを諦め、重い瞼を閉じ、死を覚悟する
……はずだった。
意識を失う感覚がないことを不思議に思ったねむがもう一度目を開けると、なんとそこは異世界で!?
その上360度、どこを見渡しても既視感のある風景。
状況が理解できないねむが唯一理解出来たのは一つだけだった。
そう、ここはねむの自作の物語の世界。
ねむはその主人公としてこの世界に飛ばされたのである。
『頭に入っているマップ』
『戦う前から弱点を熟知している敵』
『この世界の共通言語』
異世界転生にしては易しい設定に軽い足取りで進むねむは、ある決定的な展開を思い出し驚愕した、そして絶望した。
最終決戦。
___主人公パーティは全滅する運命にあったことを。