ある世界の片隅に、アレー地方と呼ばれる地域がある。草原、雪原、砂漠、大森林、大海原等、自然が豊かな地方である。そんなアレー地方の国の一つに、草原の国とも呼ばれるヴィージャンド王国がある。
王都ヴィンレドには、王国一の名門校とも呼ばれる第一王立学園があり、そこでは学力と実技に分けて1年間の評価が行われる。そんな学園に通うラナー・グレンテルは、学力最下位という成績を2年間維持し続けていた。学力が最下位の一方で、実技は1位であったため、なんとか落第は免れていたのだ。
3年目に突入して数日経った頃、彼は突然学園長に呼び出される。そこで学園長に言い渡された命により、彼は強制的にアレー地方を巡る旅へと出されることとなる。強制的な旅へと出される事となったのはラナー、一人ではなく......。
今、魔法が消えつつある世界にて、ラナーによる強制的な冒険譚が始まろうとしている。強制的な旅を通して、ラナーは何を知り、何を思うのか。