人間の日常に人工知能(AI)が汎用される時代、大企業や国家組織へのハッキングを生業とするアルベルト。企業などからの依頼を受け、情報の漏洩や流出、ウイルスの感染などを行っている。
アルベルトはテトラと呼ばれるパートナーの少女を操り、そのような仕事をこなしてきた。
そんなアルベルトの元に、随分旧式のPCを治して欲しいという依頼がくる。歯牙にもかけないアルベルトだったが、依頼主の少年オルセンは、アルベルトの家にまで押しかけて依頼する。
そのPCはオルセンの亡くなった祖母のもので、起動したものに破格の遺産を授けるという遺言を知る。金に目が眩んだアルベルトは、テトラと協力し、彼のPCを治そうと決意。
テトラは、AIのバグによって生まれてしまった、完全な自我を持つコンピュータプログラム(=ウルトラヴィジター)であり、そのPCの奥深くに足を踏み入れる。しかし、そのPCの不調は、ただの故障などではなく、もっと大きな原因を含む厄介なものだった。
近未来 人工知能 ネット小説大賞七
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