「稲生宵、君は死んだ。別世界に行ってくれ。その代わりに何か一つ好きな物をあげるから」
天国で、天使にそう聞かされた稲生宵は、少し悩む。欲しい物はチートスキルか、スローライフの二択だったのだ。そして、宵はチートスキルを選び、こう言った。
「じゃあ、チートスキルにしてくれ!」
その宵の言葉に天使は訝し気な表情をする、宵は知らなかったのだ、天使がどういう風に受け取ったのかを。
「本当にいいんだね?」
天使は念押しをする。この時、宵は聞き直していれば不幸な事態にはならなかった。だが、頷いてしまったのだ。
そして、稲生宵はスキル「ヨイ・イノー」として生まれ変わることとなり、一人の少女のスキルとなる。
『ヨイ・イノー』が目覚めた時、少女はパーティーに追放されるところだった。穴に突き落とされ、殺されそうになった少女を助けるため『ヨイ・イノー』のスキルが覚醒する。『ヨイ・イノー』、それは好きなスキルを使うことが出来るスキルだった。
宵は少女を守り続けると、心の中で誓うのだった。
転生したらスキル!? こんな物語、見たことない! びっくり展開や、ご都合主義真っ青な展開目白押し! 果たして、ヨイは少女を守り続けることが出来るのか。
──これは一人のスキルが一人ぼっちの少女を救うお話。