かつて、ブリザードが吹き荒れる苛酷な環境下にありながらも栄華を極め、覇権を握った一族があった。その名を氷河一族。
「拝啓 銀世界の君主様」
極寒の気候さえも銀世界と称され、畏敬の念を抱かせるほどに全盛を誇った氷河一族であったが、他国との争いは絶えなかった。
だが、激動の時代を経て、やがて世界は勢力の均衡により長年の平和を得ることとなる。
時計の針が止まったかのような大平和に人々は酔いしれ、現在を黄金の時代と表現するのだった。
火種も存在しない、張り詰めていた緊張の雪解けである。
しかし、止まった歯車が今、何者かによって動かされようとしている。
氷河一族は・・・世界は・・・再び動乱の渦へと巻き込まれようとしていた。