★★★大変お手数ですが、一話目をご確認ください★★★
その娘は、芽生えた願いを叶えたかっただけだった。
人間になりさえすれば、上手くいくものだと信じて疑わなかった。
愚かな事だと止められても、産まれた恋心を止める事が出来ず。
昔教えられた『運命の恋人』が彼だと信じ、その身を投じた。
よって、自らに与えられた役目を放り投げ、男に走った娘に重い罰が下された。
命ある者達に興味を抱かず、何も知らずその場にいたら、苦しみを味わう事などなかったろうに。
罰に抗い、胸に抱く熱い想いが真実だと知る為に奔走してきた娘の物語は、これで終る。
娘は、罰を受け入れた。
仕方がない、仕組まれた罰から逃れる術など、持ち合わせていなかったのだから。
幾度も転生を繰り返した。
彼に会う為、彼好みになる為、一目見る為、言葉を交わす為、邪魔せず傍にいる為、嫌われても近くにいる為、自然に傍にいる為、彼に逢いに行く為。
願いを変え続け、娘は最終的に「勇者」に辿り着いた。
自らが所持する途方もない力を発揮出来、人の役に立つ「勇者」というモノに焦がれた。良い事をしたら、少しは褒めて、認めて貰えるのではないかと懸命に考え辿り着いた結論だった。
娘は、最初から願いを間違えていたのだ。
「古の、光を。
遠き遠き、懐かしき場所から。
今、この場所へ。
暖かな、光を分け与えたまえ。
回帰せよ、命。
柔らかで暖かな光は、ココに。
全身全霊をかけ召喚するは、膨大な光の破片。
私の力を、貴方に。
私から貴方への、愛の証。
私の唇から漏れる言葉は、貴方の為に。
私から溢れる全ての力は、貴方の共に。
貴方によって生かされる私は、貴方の物。」
そうして勇者は、最期に「魔王」を選ぶ。
※注意※
この物語は、全章全てが一連の流れとなっております。その為、ここから読んでも意味不明です。読まれている方を前提に書いておりますので、ご注意ください。現在リマスターを追っている方でも、理解不能の状態です。
☆☆この物語は章で投稿を分けていますが、別作品ではありません。続きものです、同じ登場人物です。
悲恋 フォールダウン 勇者 魔王 メリーバッドエンド 続き物です。 恋愛SFファンタジー 人魚姫 かぐや姫
読了時間:約4分(1,646文字)