終夜鴉紋(しゅうやあもん)が転移したのは、赤い瞳の人間を『ロチアート』と呼び、家畜の様に管理して喰らう絶望の世界であった。
秩序の守られた泰平の世。その世界に何の悪意もなく大切なモノを奪われた鴉紋は、腕を黒く変化させ、人ならざる剛力を発現した。
怒り迸り何もかもを破壊しながら、鴉紋は世界を統治する九人の“天使の子”を殺し尽くし、自らの願う世界を創造する事を決意する。
――しかし彼がこの世界に訪れてしまった事も、その世界を破壊するといったある種異常に思える意志すらもが、彼の内に潜む“別の人格”による因果である事を彼は知らない。
――そして壊れていく。
ロチアートも同じ人間だと言いながら、ロチアートの為に人間を殺戮していく悪魔へと。
平和な世界に堕ちて来た、ただ一つの悪意として。
その世界の平和は完成されていた。食用とされる人種もまた、その命運を当然の事として受容する事で人類との共生を叶えていた。
――そこに堕ちて来た災厄は、家畜に自我を芽生えさせていく。
お前達は人間なのだと。喰われるべきでは無いのだと。どうして生きようとしないのだと叫び続ける。
それは善行なのか、それとも……。
この物語の善悪の判断は、全て読者へと委ねている。
※今作は135万文字ともなった拙作【悪逆の翼】のフルリメイクになります。内容や設定にも大幅な変更がありまして、新規の方も初見で読んで頂ける内容になっています。前作にあった恐怖やトラウマや暴力の描写をより強烈に、そして改善点など修正した“完全版”となります。
過去、こんなに主人公を痛め付ける作品があったでしょうか?……いいやあるまい。容赦のないダークファンタジーの世界を、是非ご覧下さい。
※今作「【悪逆の翼】~road dark~」では“悪側”の視点から世界を観測しています。
現在制作中の「【悪逆の翼】~road shine~」では“正義側”の視点から世界を観測していこうと思います。
善悪の表裏と紙一重をアナタは両者の立場より観測して何を思うでしょう?
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2023年07月31日
ESN大賞8 SQEXノベル大賞2 BK小説大賞 シリアス オリジナル戦記 トラウマ ダークファンタジー 【悪逆の翼】 キリスト神話 ソロモン72柱 セフィロトの樹 バトル 異世界 復讐 追放
読了時間:約243分(121,051文字)