遥か昔、火を司るドラゴンと氷を司るフェンリルは対立していた‥‥。
「前世の私は、風よりも速く駆け、山をも噛み砕く、氷の支配者フェンリルだった。本当だぞ!本当にフェンリルだったのだ!それはもう大きくてかっこよく、ふわふわでもふもふなフェンリルだったのだ!!」
今生でも相変わらずふわふわもふもふな白銀の髪を揺らす王女。そんな彼女と前世では殺し合いを繰り広げていたドラゴンの生まれ変わりの公爵が結婚することになった。
「君は今も変わらず気高く美しい(うっとり)」
「貴様も憎々しいほどに変わらんな‥‥。」
あれ?殺し合った仲‥‥だよな?
そんな二人の話。