若き王国騎士、ギルバート・シュヴァリエは真面目で仕事一筋の男である。街を守り人を守ることに誇りを持ち、変わらぬ毎日を送っていた。
──しかしその日、平穏な生活は砕け散った。
召喚された勇者との一騎打ち、そのせいで投獄、無事に脱獄かと思えば、行きつく先は指名手配の犯罪者。──こんな散々な人生があってたまるか。
そんな彼を慕う同僚、アーサー・ウォルフの「魔王を倒して勇者を見返してやりましょう」という発言によって、魔王討伐を目指す旅が始まったのだった!
「行くぞアーサー、やるからには本気だ」
「もちろんです。私達にできないことなどありません」
最後に魔王を打ち倒すのは、勇者? それとも騎士? それとも……。前途多難な二人の、壮大な暇潰しの行く末はいかに。