『最恐』の人狼と『天才』の神官 クリス·フォワード。
町は人喰い狼の噂で持ち切りだ。
「人食い狼が夜に町に降りて来て、人を攫って食っていく」。
誰から広まったかも分からない噂。
しかし誰もが真実であると知っていた。
何故ならその人食い狼、魔物の長を務める魔物。森には多くの魔物が住むが、それとは比にならない程の禍々しい魔力を持ち、その牙爪は金属鋼鉄さえも穿つ。討伐に向かったハンターは全て、首を捕られて帰ってきた。出発して、ものの1時間。森奧に着き、対峙してから数瞬…否、姿を確かめられたのかも知れぬ。だからこその『最恐』。
そこで魔物の森の麓にある教会の神父に解決が依頼された。この神父もまた『天才』と呼ばれている。若くして聖職者となり、その手腕によりものの数年で教会の長をも任された。
これはそんな魔物の長と教会の神父の物語。