大学生の松下美桜は、梅雨時期の雨の中捨てられていた白猫を拾ったのだが、その猫は人の言葉を話す化け猫だった。一時は改めて捨てることを考えたが、結局は、一緒に暮らすことを選んだ。 　その日から美桜のウチは、いろんな動物をはじめとして、幽霊やあやかしなどが困りごと(という名の厄介事)を持ち込んでそこを訪れるようになったのだった……。

もしも、未来予知ができる片眼鏡があったとしたら？ 最長で半年先が限度だとしても。これは、それを使ってボランティアを始めた青年とその従者の物語です。

　家族間や友人からルナと呼ばれている佐藤璃那は、病棟の屋上で古瀬兎季矢という少年と出逢う。再会や別れを繰り返していくうちに、同じ異能を持つ彼らはお互いに相手のことを意識するようになっていくのだが…… 　『むーんりっと・りゆにおん』をルナの視点で書いてみようという実験的作品です。

（第五話から直結しています） 　柏木弥那はマティバレィの定休日に前職のカフェを訪れた。 しかしそこには、達矢が招待されたという昭和中期を思わせる雰囲気漂う骨董屋が建っていた。

(第４話から直結しています。) 　谷口雅美は閏時を使って、無事に赤い傘を取り戻す。そのまま入店して、(約)一時間前の住谷達矢たちと再会し、懐中時計を柏木弥那に返した。すると話は当然のように、なぜ雅美が懐中時計を持っているのかという方向に進んでいった。

　蝦夷梅雨の昼下がり。マティバレィを訪れたのは、保険の外回りから直帰する前にいつも立ち寄るようになった常連客の谷口雅美(たにぐちみやび)。ある日彼女は店内で、ありそうでないトラブルに巻き込まれてしまう。

満月からひと晩過ぎた十六夜の月。 雲海が十六夜月に照らされた蒼皓(あおじろ)い世界を、俺は箒(ほうき)に跨(またが)って飛んでいた。

　教育実習を数日後に控えた、二十歳の誕生日。 火村道代はキャンパス内のカフェで夢をみていた。 自らの前世の夢を。 彼女はそれをメッセージと受け取って、密かに探していた。　 前世の自分の恋人を。

市の定期演奏会を間近に控えた 冬休みのある日 峰岸禾楓は練習後に 白峰琴沙に呼び止められる 今日が約束の日であることを 琴沙に言い当てられ 驚く禾楓 そのわけは？ そして約束とは？

柏木弥那は弟の和也にバースデープレゼントとして懐中時計を贈った。 和也は時計を、趣味である競馬に利用しようと考えたのだが――