「この世界は無数に存在する世界の可能性の一つに過ぎない。」
著名な科学者がこの理論を提唱し、実際に他の可能性世界の観測に成功したことで、並行世界の存在は広く世間に認知されるようになった。
この発見から50年、いまや並行世界は観光旅行の選択肢になるまでに一般化した。旅行者は少しだけ異なる世界に様々な期待を抱いて旅立つ。歴史上の有名人との出会い。失われた、あるいは元の世界にはない美食。もう会うことの出来ない家族や友人や恋人との再会。
元の世界では得ることの出来ない何かがそこにはある。彼らはそれを求め、時に犯罪者となるものもいる。
浅賀士郎はそんな犯罪者達を取り締まる政府組織に所属する、捜査官である。
悲恋 ハードボイルド サスペンス サイコホラー 近未来 サイバーパンク 男主人公 シリアス 未来 パラレルワールド
読了時間:約11分(5,441文字)