かつて、クラウゼヴィッツは、「戦争を他の手段をもってする政治の継続である」と述べたという。
人間が技術的進歩と物質的繁栄を遂げ、宇宙空間に進出してもなお、それは変わらない真理であったようだ。
当初、厳しい宇宙空間では人々は互いの生存のために協力しなければならなかった。
人類は社会を作り、互いに助け合っていた。
だが、人間の技術的発展によって、そのような時代は打ち破られていく。
政治体制の違い、経済問題の対立などの複合的な理由から、アテナイ共和国は、アイギス帝国に宣戦布告した。
戦争は開始されたが、包囲戦と陣取りゲームを繰り返すだけで、互いに、緩やかに消耗していくのみだった。
なぜなら、人類にとって過酷な宇宙空間にあっては、大きな損害を出すことは、双方にとって好ましいことではなかったからだ。
しかし、その膠着状態を打ち破られていく。
主人公レイは、アテナイ・アイギス戦争をその身で味わうことになる。
注意書き
王立宇宙軍と帝国軍は同一のものです。
帝国は自国の軍を王立宇宙軍と呼んでいます。
共和国は王立宇宙軍を帝国軍と呼んでいます。
もっぱら文中では、アイギス帝国は単に帝国と呼ばれ、アテナイ共和国は、共和国と呼ばれます。
オリジナル戦記 冒険 近未来 未来 男主人公 ロボット ミリタリー
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