〈魔女図書館〉――。
それはかつて〝賢者〟と呼ばれた魔女が創設した、魔法に関する知の宝庫。
年老いて死亡した〝賢者〟は、500年後の世界でメルティナ・ロウレンティアという名の少女として転生する。
しかし喜んだのも束の間、かつて自分が書き残した恥ずかしい黒歴史本(若い頃に書く痛い文章)が〈魔女図書館〉から持ち出され、世界各地に散らばっていることを知る。
オマケにその黒歴史本が【魔導書】などと呼称され、人類の脅威になっている始末。
「なんか私の書いた黒歴史本が、世界を危機に陥れてるんですけど?」
これ以上恥ずかしい過去をばら撒かれるワケには……いや、悪用されるワケにはいかない。
そう決意した少女メルティナは、かつて自分が創設した〈魔女図書館〉の見習い司書として働き始め、【魔導書】の収集を開始。
見習いということで時々偉い人からいびられたり、不遇な扱いを受けることもあるけれど、前世に得た力と知恵で大体解決。
元〝賢者〟にできないことはなにもないのだ。