神々が去ったとされる大砂海〈ゼルハ=ラ=ムーン〉。
風は狂い、精霊は遠ざかり、古の秩序〈風律〉は忘れ去られた。
そんな砂漠の片隅、名も持たぬ一人の少年が、今日もスラムの影を走る。
盗みと逃げ足だけが生き延びる術だった少年は、ある日、旅団《ラシール=カーム》と出会う。
風駆艇を駆り、砂を越え、依頼を請けて生きる旅団の者たち。
武器を持ち、笑い、歌い、名を背負って生きるその姿に、少年は初めて“生きる意味”を知る。
彼に与えられた名は「ラキ」――砂粒を意味する小さな名前。
だがその名が、やがて“世界の鍵”と呼ばれるとは、誰も知らなかった。
封じられし古代兵器〈風律炉〉、消えた神々、各地に散る封呪の鍵。
これは、風を知り、風に抗い、風と歩んだ者たちの物語。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2025年05月11日
男主人公 魔法 冒険 日常 グルメ 砂漠 旅団
読了時間:約20分(9,766文字)