月と地球の間、虚無の広がる戦場で、そのおおらかさに身を委ねたいという動物的な衝動を感じていた看護兵リザは敵兵アーウィンを救う。生物哲学にも、神にも救いを求める気持ちになれないリザだったが、アーウィンと話をするうちに心が安らぐ。二人は戦前に出会っていることに気づき、ジャズへの興味を伝えあううち、リザは戦争によって押し隠されていた情熱を思い出す。そこへ停戦の知らせがあり、リザは虚無の抱擁よりも魅力的な、未来への期待に身を震わせる。
オリジナル戦記 ハードボイルド 近未来 ディストピア シリアス 女主人公 未来 魔法 宇宙 核戦争 淡い恋愛 真実 無力感
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