無実の罪で逮捕され、奇妙な精神鑑定ののち、異様な精神病棟に収監された青年、ヴィル。
実は彼は幼いころから、身の回りで起きる怪奇現象に悩まされていた。
近所では気味の悪い噂が立ち、評判の悪かったヴィルだが、なぜ殺人事件の容疑者に?
そんな彼が収監された精神病棟は…超常現象が続発し、何かに取り憑かれたような患者たちが彷徨いていた。更には、病棟の運営スタッフと彼らに同行する聖職者が、悪魔祓いと称して患者を痛めつけ、時に患者が他の患者を襲うこともある―――それはまさに、この世にポツリと現れた、“地獄”。
ここから出て、自分の身に起きたことを、そして自分が見てきたことを告発し、真実を突き止めなければならない…
ヴィルの、人生をかけた脱出、そして真実を求める逃避行が始まる。
立ち塞がるのは、悪魔を受け入れたという、狂気に支配された患者たち。そして、真実を知りながらも、何故かそれをひた隠す者達もまた、ヴィルの脱出と逃避を阻む…
ヴィルを待ち受ける運命と真実とは。彼はなぜ逮捕されたのか。彼の出自と、事件の真相とは。そして、この地獄の、この悪魔の巣窟の先には、果たして何が待つのか。