受験や人間関係、なにもかもに疲れ、ぼんやりと屋上で柵によりかかっていた杉本 柊(すぎもと しゅう)は、後ろから突風が吹き、劣化していた柵ごと落ちてしまう。
気がつくと、柊は転生してしまっていた。
赤子で喋ることもままならず、言葉も分からない中、柊───シュウェル・アビエスの精神は崩壊していく。
10歳にして、シュウェルは何もかも諦めた、暗い目をしていた。
なんとか読み書きはできるようになったが、ほとんど喋らないシュウェルは常に一人で、それがさらに孤独へと追い詰めていく。
そんなとき、唯一声をかけてくれたのが。
亜麻色の髪の少女、スティアだった。
───これは、転生した少年が生まれ変わった意味を探し、考えていく物語。