SESの職に就いていた男は、目が覚めるとそこは見知らぬ世界だった。
右も左も分からない状況で、70歳を超えた老魔法使い(シータス)に拾われ、この世界のことを知る。
そこはまさにファンタジー。魔法、異世界、転生――。
ロマンを感じるものの、現実は甘くない。
戦争の長期化、各地での魔物被害、そして魔法の非効率さ――。
魔法は確かに存在するが、発動には複雑な詠唱を要し、使える者も限られていた。
「なんで誰も改良しようとしないんだ?」
彼はシータスのもとで細々と魔法を学びながら、SESで培ったプログラミング知識を応用し、魔法の"再設計(リファクタリング)"を試みる。
少しでも穏やかに暮らすために――。
しかし、シータスのもとに持ち込まれる依頼を解決するたびに、彼が改良した魔法の噂は広まり、次第に世界の戦争へと巻き込まれていく。
気まぐれで手を加えた魔法が、硬直した世界の均衡を崩し、変革の波を引き起こし始める。
望まぬ争いの渦中で、彼はこの世界の魔法と歴史に隠された"真実"を追い求め、やがて魔法と世界そのものを"再設計"する道を選ぶ。
やる気のないエンジニアが、コードを書くように世界の運命を変えていく――!
魔法×プログラミングの異世界革新譚、ここに開幕!